君まもる鶴の岡べの神垣によろづ代かけよ月のしらゆふ
鶴の岡や秋のなかばの神祭ことしは余所に思ひこそやれ
鎌倉の里にまかりて見けるに、あらぬさまに荒れはてて所々に神の御社などもかたばかりなる中に、荏柄の宮にまうでて梅のさきたるを見て
里ふりぬなに中々の梅が香は春やむかしも忘れぬる世に
木こがくれに風をたためる心地して扇あふぎが谷やつはすずしかりけり
浦ちかき砥上とがみが原に駒とめて片瀬の川のしほあひぞまつ
うちわたす今や潮干の片瀬川おもひしよりも浅き水かな
かへりきて又見むこともかたせ川にごれる水のすまぬ世なれば