佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』山陰線21 石見潟
2016-10-28


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石見海浜公園(島根県浜田市)。

補録

石見潟いわみがた

島根県江津市から浜田市にかけての潟(遠浅の海)。多く「言ふ」の意をかけ、また石見潟の浦廻うらみということから浦廻と同音の「恨み」を導く枕詞のようにも用いられた。

よみ人知らず(拾遺集)

つらけれど人には言はずいはみ潟うらみぞ深き心ひとつに

よみ人知らず(古今和歌六帖・新勅撰集)

いはみ潟うらみぞふかき沖つ波よする玉藻にうづもるる身は

海辺眺望
尋玄法師(新勅撰集)

いはみ潟そらもひとつにゆく舟の片帆に消ゆる夕づく日かな

後鳥羽院(新後拾遺集)

石見潟たかつの山に雲はれて領巾ひれふる峯を出づる月かげ

磯千鳥
頓阿

いはみがた夕波こゆる磯のうへに立つかと見ればゐる千鳥かな

木下利玄

石見潟荒磯ありそ吹く風へうへうと真向まつかうよりわが歩みをはばむ

[和歌名所めぐり]

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