高知市街眺望
土佐国の首府。(注:高知県の県庁所在地。山内氏が治める城下町として栄えた。『万葉集古義』の著者鹿持かもち雅澄まさずみの旧居跡が福井町に残る。)
堀詰の電車通りの梅雨つゆの街竹笠にしてうなぎ釣り居り
枇杷を買ひ雨のとまりに食たうべ居れば土佐の外海の海なり聞こゆ
闘犬にあはぬ日もなし打靡く一番稲の葉の黒みかも
(注:「孕の海」は高知市の浦戸湾。)
南の海この里にして万葉の道の八十隈やそくまひらきましつる
雅澄はまことますらをたはれをの名に立つわれやひとり恥づらく
お天守の板間いたまに我はころぶせり四方しはうの窓ゆ秋の風吹く