佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』四国33 室戸岬
2017-01-20


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川瀬巴水「土佐室戸岬」

補録

室戸岬

高知県室戸市。土佐湾の東端に突き出す岬。室戸崎とも。海蝕洞「御厨人窟みくろど」は空海修行の地と伝わる。

土左国室戸といふところにて
弘法大師(新勅撰集)

法性ほつしやうの室戸といへどわがすめば有為うゐの浪風よせぬ日ぞなき

(注:「室戸」に、修行のため住み籠る「室」の意を掛けている。第二句「室戸ときけど」とする本もある。)

紀貫之(土佐日記)

影みれば波の底なるひさかたの空こぎわたる我ぞわびしき

(注:『土佐日記』によれば、土佐の室津を目指して航行していた時に詠んだという歌。室津は室戸岬にある港。)

鹿持雅澄

室戸崎吾あがこきくれば磯触いそぶりのよする荒磯ありそに月照れる見ゆ

最御崎ほつみさき庭静けみと室戸の海み競ひ漕ぎ出づる海人の釣舟

吉井勇

はるばると室戸岬にわれは来ていきどほろしく荒海を見つ

[和歌名所めぐり]

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