佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州21 玄界灘
2017-03-19


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玄界灘(福岡県糸島市)

補録

玄界灘げんかいなだ

玄海、玄海灘とも。福岡・佐賀両県の北に広がる海。東は響灘に続き,西は壱岐水道・対馬海峡によって東シナ海に通じる。北九州と大陸を結ぶ海上交通の要路。冬は荒れることが多いが、大陸棚をなし、対馬海流が流れる、有数の漁場である。

眺望の歌とて
藤原家隆

松浦まつら舟けふは幾日いくかの浪の上にまだ目にかかる山の端もなし

(注:「松浦舟」は大陸との間を往来した船。肥前国松浦の港を出航地とする)

遣唐使に送るに擬する歌(長歌略)
村田春海

大王おほきみの命みことかしこみ荒潮のうづまく海に旅寝すらしも

川田順

玄海洋げんかいなだの冬を働く捕鯨船むかつ島べに繋かかりてくろし

中島哀浪

寄る波の上より蝶はひきかへし海のむかふの山かすむかな

岡井隆

玄海の春の潮うしほのはぐくみしいろくづを売る声はさすらふ

[和歌名所めぐり]

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