佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州83 黒之瀬戸
2019-06-11


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補録

黒之瀬戸

鹿児島県阿久根市と長島の間の海峡。八代海と東シナ海をつなぐ。薩摩の瀬戸、隼人はやひとの瀬戸とも。潮の流れが速く、渦潮が見られる。昭和49年、黒之瀬戸大橋が架橋された。最寄駅は肥薩おれんじ鉄道折口駅。

長田王(万葉集)

隼人はやひとの薩摩さつまの迫門せとを雲居なす遠くも吾は今日見つるかも

遥かに吉野離宮を思しのひて作れる歌

大伴旅人(万葉集)

隼人はやひとの湍門せとの磐いはほも年魚あゆ走る吉野の滝になほ及しかずけり

天草の牛深の浦より薩摩のわきつの関にわたるとき、くろの瀬戸にて

海量法師

隼人のさつまのせとの潮騒に浪をかしこみ生けるともなし

人々国の名を探りてよめるに、薩摩

楫取魚彦

さにつらふ君にみせばや隼人のさつまの小門せとによする浜貝

(注:「さにつらふ」は美しさ・可愛さなどを誉め讃える修飾句。元来は赤く照り映える意かという。)

[和歌名所めぐり]

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