写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟
鹿児島市の前面湾中にあり。この島ありて鹿児島の風光はじめて生く。
月雪の見るめのみかは桜島波の花さくゆふべあけぼの
わが胸のもゆるおもひにくらぶれば煙は薄し桜島山
濃みどりの蜜柑の畑に朝日さし桜島山ねぶりより覚む
桜島ありとしきけば波の花やがてたむくる西の海かな
(注:薩摩中納言〔島津忠恒か〕哀悼歌。)
さくらじまわが枕よりやや高く海に置かるる夏の月明
掻きみだれ掻きむらがりて焼岩は荒あらびしままに冷えはてにけり
大き山ひとつ桜島日を受けて襞ひだのさやけきゆふべとなりつ