水城跡
水城駅附近。線路に沿うて水城の礎石存せり。(注:福岡県太宰府市水城。天智三年、大宰府防備のために築かれた土塁の跡が遺る。)
千歳へしむかしを今にかたるなり水城のつつみ水はあらねど
凡おほならばかもかもせむを畏かしこみと振りたき袖を忍びてあるかも
ますらをと思へる我や水茎みづぐきの水城のうへに涙のごはむ
(大宰帥だざいのそちであった大伴旅人が京へ向けて旅立つ際、水城に馬を駐めて大宰府を顧みた。その時、見送りの中に児島という名の遊行女婦がいて、別れを惜しんで旅人に歌を贈り、これに旅人が答えたという。)
筑紫路に水城の跡を尋とめ来ればまぼろしと立つ防人がとも