佐佐木信綱編『和歌名所めぐり』九州80 都井岬
2019-05-14


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補録

都井岬といみさき

宮崎県串間市。県最南端の岬。古くから軍馬の放牧地で、日本在来種と言われる岬馬(御崎馬)がいま半野生化して生息する。蘇鉄の自生地としても知られる。JR九州日南線串間駅よりバス便がある。

若山牧水

日向ひうがの国都井とゐの岬の青潮に入りゆく端はなに独り海聴く

(注:『海の声』による。『別離』では結語「見る」と改訂。都井岬の歌碑にも「見る」と彫られている。)

土屋文明

花も見ず人間も見ず都井の岬の跡位とゐ浪見むに心いそぐなり

(注:「跡位浪」は万葉集に見える語。高くうねり立つ波。)

二十三首より
安永蕗子

なかなかに惜しき命を運び来て風の岬に尖るうつし身

下り立ちし一投足の淋しきにこの夕草に野の馬も倚よる

(注:「投足」は足を投げ出すこと。)

[和歌名所めぐり]

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