新刊のお知らせ 柳原白蓮『歌集 紫の梅』
2019-05-28


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現代語訳・評釈付きの新古今和歌集を制作中なのですが、なかなか完成は遠いので、校了がなった白蓮第三歌集『紫の梅』を先に出版しました。

近年、小説やTVドラマで話題となった白蓮ですが、歌人として再評価されたという話はあまり聞きません。現代短歌の基準からすると、評価されないのは仕方ないのかなという気もします。品が良すぎて野心がなかったというか…(野心の無さは、現代芸術にあっては致命的な欠点でしょう)。

しかし幾つか出版された、どれも小さな可憐な歌集。その清純な歌々。生まれついての品格としか言いようのない、こころ=ことばの美しさ。時代の激流・悲運と共にあった、その人生の物語イストワール…。

晩年に向けて歌境は研ぎ澄まされてゆきますから、順を追って読んで頂ければ、と願っております。
『紫の梅』収録歌の例は商品説明のところで読んで頂くとして、以後の歌集よりいくつか。

 思ひきや月も流転のかげぞかしわがこしかたに何をなげかむ(流転)
 英霊の生きてかへるがありといふ子の骨壺よ振れば音する(地平線)
 金星のあらはれいでてまたたくに子供のごとくわれ泣きにけり(同)
 そこひなき闇にかがやく星のごとわれの命をわがうちに見つ(辞世)

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